前回i‘s Deco™誕生のきっかけについてお話ししましたが、今回は商品が完成するまでに直面した課題と完成に至るまでの裏話をご紹介します。
この商品を流行らせるにはどうすれば良いか。
シンプルに考えると、やはり使ってくれる人が多ければ多いほど知名度も上がるし、流行りになりやすいですよね。
その為には自社製のケースだけでなく、皆さんが普段使っているあらゆるケースでも使えないとたくさんの方に使ってもらえないということで、商品自体のサイズを純正のiPhoneケースや人気のケースに合わせてなるべく小さくしようという事になりました。
しかし、ここで最初の課題が出てきました。
iPhone11シリーズのカメラは四角いカメラユニット部分の上にレンズが付いていますが、その端はほとんどスペースがないため、レンズ穴を開けるとガラスなどで作る場合はすぐに割れてしまう恐れがあります。
必ずしも割れてしまうとは限りませんが、もし皆さんが楽しい気分で写真を撮ろうとしている時に落として割れてしまったら折角の楽しい気分も台無しですし、何よりケガをしてしまう可能性があります。
そのため、素材にはガラスではなくアクリルを使用することに決まったのですが、やはり端の部分が難しいため、最初の試作品は写真のように大きいものとなりました。
最初の課題はアクリルにする事で解決の糸口が掴めたのですが、これとはまた別の問題が出てきました。
試作品の厚みではアクリルの特性上、フラッシュ撮影をした際に干渉してしまうのです。
そのため、このプレートの厚みを薄くすることで解決できるのですが、逆に薄くしすぎると強度も無くなってしまうため、1mm以下の細かい調整を何度も繰り返しました。
強度を残すためにはレンズ穴部分を開けないで平らなプレートにしてカメラの上に載せるだけの仕様にする事で解決は出来るのですが、それだとサファイアガラスで作られた高性能なカメラを充分に活かせないため、やはりカメラ穴部分を開ける仕様が絶対でした。
こうして商品の素材・サイズ・厚みなどを1つ1つ検証→試作→検証と繰り返して課題をクリアし形状が完成しました。
この商品をただのアイデア商品で終わらせたくなく、冒頭にあったカメラ部分を可愛くするためのファッションアイテムにしたかったので、そのデザインにもこだわりました。
デザイン案を検討する段階では、単色や柄が付いたものなど約100種類の候補があがりました。
もちろんその100種類全てのサンプルを作ることは難しいので、そこから試作をするために企画会議で相談し30種類程度に絞り込み、そのデザインを社内のデザイナーが試作用にデータをおこしました。
デザイン自体はシンプルなケースや今人気のケースに合うものでないとならないため、それらのケースの色に合わせた単色や、逆にこのカメラ部分を可愛く目立たせるために派手な色や柄を使ったシリーズを作り無事に商品化されたのです。
使うケースにも寄りますが、個人的には単色の黄色やネオンカラーなどが見映えが良くてオススメです。